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こんちくわ!Shygonです!
あの世界三大映画祭のひとつカンヌ国際映画祭で物議を醸しだし、今後映画を作っていくにあたり、映画とどう向き合っていくべきなのか考えさせるキッカケになった映画があります。
オクジャ(Okja)
2017年に大手映画配信サービスNETFLIXにて配信され、あのカンヌ国際映画祭では様々な映画クリエーターに反発を買い、結果前から受賞はないと通告されるなど謎が多く、2017年度最大の問題作となっています。
ではなぜ本作オクジャがこんなにも注目され、世界の映画関係者から反感を買ってしまったのか。今回は映画オクジャとそこの陰に潜む映画業界の裏側を探っていきたいと思います。
ではカテゴリーに分けて、熱く語っていきたいと思います。
オクジャってナンジャ?

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2016年ポン・ジュノ監督が新作を撮るという情報が出ました。世界的に有名な彼の新作は期待されました。
ポン・ジュノは韓国出身の監督で2003年日本でも話題になった「 殺人の追憶 」を封切りに韓国国内で知名度を高めていきました。これは本が原作ですが、結末を映画の中で変え、僕の中でこの作品はお気に入りのひとつです。
そして、その数年後新作「グエムル」を発表すると、韓国国内では観客動員数歴代一位を記録して、世界に名が知られる結果となりました。
前作「スノー・ピアサー」では全編英語作品をハリウッドで撮り、注目を集めました。個人的に「スノーピアサー」は僕のお気に入りではないのですが、とてもユニークな韓国を映し出し、興味を沸かせる監督の1人だと思っております。
本作「オクジャ」は路線的には「グエムル」に近い、モンスターパニック映画として新作を映画館ではなく、ネット配信サービス大手のNETFLIX で配信することが決定したのです。
彼の作品では、「JSA」,「渇き」で知られる常連のソン・ガンホという俳優が出ていなかったのが、残念でした。
そして、予算は50億と言われるほど大作で、あのブラッド・ピット率いる会社プランBも製作に携わっています。
これは僕個人の意見ですが、ブラッド・ピットは本当に才能のある方だと思います。なぜならプランBの携わる映画のほとんどがユニークで見て価値のある映画ばかりだからです。
例えば、2017年作品賞「バイス」や「ムーンライト」,「それでも夜は明ける」など社会的メッセージの強く、芸術性に長ける作品がものすごく多いです。なので、映画を見る基準としてプランBが携わっている映画を見るというのもアリだと思います。
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カンヌとオクジャの関連性

IBTimes UK
本作、実は作品自体が問題作と言う訳ではないのです。というより普通の良作なのです。さすが、製作がNETFLIXということもあってまともです。
問題はカンヌとオクジャのペアです。
例えると、水と油の関係で、両者単品で捉えると単なる映画や、映画祭に過ぎません。しかし、その両方が混じり合うと爆発するのです。
カンヌ映画祭では毎年、問題作が取り糺され、話題になります。僕は一個人として、問題作がメディアに取り上げられるのもカンヌ映画祭の魅力であり、斬新な映画のほとんどがココ、カンヌで初披露されます。
2016年カナダの若きホープ、グザヴィエ・ドラン監督の作品も問題作として話題になりました。毎年どれか一本が問題作となる中で今年はたまたま本作オクジャになっただけで、たまたま今年はかなりの大問題作だったのです。
ですが、カンヌ映画祭の仕組みを理解しない以上この騒動を知ることができません。カンヌ映画祭の仕組みについては以前にまとめたものがあるので、宜しければこちらをご覧下さい。
shygon.hatenablog.com
では、これからこの騒動の全容をお話します。
この問題は一言でいうと今後の映画製作について、技術の発展が可能にした新しい配信方法と伝統的な昔ながらなの配信方法の意見の相違が事態を大きくしました。そして、大手動画配信サービスを行うNETFLIXとAMAZONについても触れておこうと思います。
- AMAZON: 自社でオリジナル作品を製作しますが、はじめに映画館で放映し、時間を置き、AMAZON Primeで配信します。
- NETFLIX: 自社でオリジナル作品を製作し、それを映画館で放映するのではなく、はじめからネット配信してしまうのです。
映画館に従事する人達はネット動画配信サービスが人気になると映画館への客足が悪くなるため、当然それを好ましく思いません。
その議論が各地で行われている渦中に、NETFLIXは製作費50億の大作をカンヌにぶち込んできたのです。
カンヌ映画祭というのは世界で最大級であり、歴史ある映画祭なため、古風な考えを持った方や、舞台がフランスであるということなど、いろんな要素が重なったのです。その結果、カンヌの映画祭の関係者はNETFILXの斬新な方法にはっきりとNOと突きつけ、結果前から受賞はない、と断言されてしまったのです。
Shygonの考える映画配信の未来
僕は一個人としてカンヌは新たな配信方法を頑なに拒否するのではなく、寛容に受け入れるべきだと思っております。
映画というものは技術の発展とともに良くも悪くも変わっていくものです。ここで映画の歴史というものに焦点を当てると、
1970年代に史上最悪のデカい壁に当たります。その一昔前のテレビの普及により映画界は大打撃を受けます。
その最中アメリカではベトナム戦争で人々の映画に対しての好みや映画自体に関心をあまり示さなくなってしまったのです。ですが、また盛り返し、いまも映画は人々の生活の中に確かに浸透しています。
このように時代に映画界というものは翻弄され続けていますが、様々な人達が逆行の中知恵を振り絞りなんとか乗り越えてきたのです。
今回のカンヌ映画祭の対応は理解はできますが、新たな斬新なアイディアは時間の問題で一般社会に必ず浸透します。
なので、断固反対するのではなく、次のステップに進み、そのネット配信にどう対応していくのかを考えるべきだと思います。
しかし、ここが面白いポイントです。本作「オクジャ」の監督ポン・ジュノはインタビューにてこんなことを話していました。
「オクジャ」を見るに当たって、なるべく大きいスクリーンで楽しんでほしいと言ったのです。
せめて、タブレット。スマホは嫌だとはっきり言っています。やはり一映画製作者として大きいスクリーンで映画を楽しんでほしいという思いはどんなひとでも思っていることなのです。
この事態をかなり深刻に捉えるのではなく、未来の映画製作への第一歩だと思うと荷が軽くなるかもしれませんね。
びぇ!