明日がどうなるかわからない。
隣国の敵軍がいきなり攻めてくるかもしれないし、爆弾を放り込んでくるかもしれない。
それは誰もわからない。
Joint Security Areaとは?
「JSA(공동경비구역)」は北朝鮮との国境線に在中する北朝鮮兵と韓国兵の禁断の友情を描く。
JSA(=Joint Security Area)は、800m四方の共同警備区域だ。普段決して会うことはない同民族が、唯一と言っていいほど、限られた共有スペース。
でもお互いに睨みを利かせ、一瞬たりとも油断が効かない。そんな緊張が張るこの地域で謎の事件が起きてしまう。
朝鮮軍がひとり銃で撃たれて、死んだ。
ただその死にかたを不思議と思った両国は、聞き込み調査を行う。すると両者が語る事実にスレ違いが生じ、調査は難航する。その裏には敵国を超えて、同族ならではの友情物語があったのだ‥というあらすじ。
主演はイ・ビョンホンとソン・ガンホ。ふたりとのとにかく若い!
今となってはふたりとも名俳優となったが、公開された2001年はなんと可愛い美男子なのか、と同姓からも色気を感じる。
今となっては、実力派俳優として花が咲いたソン・ガンホに比べ、イ・ビョンホンはイケメン俳優として国際的に活躍する。
この頃からふたりともスター性を兼ね備え、スパイスの効いた演技を本作では垣間見ることができる。
冒頭であれほどイ・ビョンホンについて言及したが、この人は朝鮮と韓国を描く映画ドラマによく出演していますよね。
そんな俳優人生を決めたのが本作だったのかもしれません。というのは、本作は当時の映画館の入場数の記録を塗り替え、歴史的な大ヒットを記録しました。
韓国人が好きそうな熾烈な女の戦いや人間臭さのスパイスが一切聞いていない。非常に政治色の強い社会派ドラマである本作が大ヒットを記録するのは珍しいこと。
それほど斬新で別の角度から朝鮮史を描いたのが本作だけなのかもしれませんね。まどろっこい銃撃戦もなければ、過激な絵もあまりない。
そんな表面的な衝撃よりは、人間の心に眠る感情を掘り起こしてきて、徹底的に暴く。数千年もの間辛い歴史をともに歩んできた同族に殺意を向けながら生きないといけない。
一番気があう気がする友達でさえも、大きな組織がばっさり切り離され、こう言われる。明日からは友達は最大の敵なのよ。
世界大戦がやっと集結し、やっと穏便に過ごせると思ったその矢先、次は親戚が敵になってしまう。
こんなことが世界中で巻き起こったが、同じアジアのそう遠くない場所でいまだにそんなことが続いているという恐怖。
一枚の写真の真意を見抜こう
映画は目でみるもの。
だがら予想できない次の展開や印象的な絵がとても重要になってくる。でもそんなときこそ考えたくなる。
映画は心でみるもの。
写し出される物体として感じるんではなくて、その奥に眠るなにかを感じ取るべきときだってあるよ。まさに本作で映し出される映像なんて、全体像から考えるとこれっぽっちも描いてなんかいない。そして最後にわかる。
この写真が彼らにとってどれほどの意味なのかを。この映画を見た人だけが、この写真を共感てぎ、理解する。なんて素晴らしいことなんだろうってね。
びぇ!