こんちくわ!Shygonです!
今回は大ヒットした本を原作に映画化された
天才作家の妻 真実の40年間
について熱く語りたいと思います。
2017年に制作された本作は、長年の功績からノーベル文学賞を受賞したジョセフ・キャッスルマンがスウェーデンで行われる授賞式の様子を描いたものです。
輝かしい功績の裏には妻が長年にわたってゴーストライターとして小説を執筆していた過去があり、ノーベル賞受賞をきっかけに幸せだった家庭が狂い始める‥
サクッとあらすじ
アメリカ東部コネチカット州。
現代文学の巨匠として拝められる小説家ジョセフは遂にノーベル文学賞が授与されることになった。
授賞式に出席するためストックホルムに向かったジョセフの家族。
しかし、記者のナサニエルがジョセフの小説に長年疑念を持っており、その真実を暴く伝記を書きたいと言い寄ってきたことで全ての状況が一変してしまう。
ジョセフと妻ジョーンは長年連れ添ってきた夫婦として、ともに授賞式に出席するが、やがて2人だけの秘密が徐々におおやけになってきて‥
小説「the wife」を映画化へ
女流アメリカ人小説家メグ・ウォリヅァーの2003年の同名小説「the wife」を原作に映画化。スェーデン出身のビョルン・ルンゲが監督を務めました。
ジョーン・キャッスルマン
ノーベル賞小説家ジョセフの妻。長年連れ添い、妻として、夫の長年の功績に多大な影響を与えたとされていた。
実際はゴーストライターとして彼のかわりに小説を書いていた。
グレン・クローズが演じた。本作が舞台でも活躍する彼女の代表作となった。
ジョセフ・キャッスルマン
長年の功績が評価されノーベル文学賞を受賞した作家。
でも実際は妻であるジョーンが小説を書いており、妻には感謝をしている。
ジョナサン・プライスが演じた。「パイレーツ オブ カリビアン」のスワン提督や「ゲームオブスローンズ」 に出演。
Shygon的批評
本作はノーベル文学賞までを受賞した世界的文豪とその妻の知られざる40年の闇が暴かれる映画です。
スェーデンで行われる授賞式で事態が一転し、これまで良好な関係が築かれていた夫婦の関係に亀裂が入ってしまいます。
若い頃の2人がどう知り合って結婚し、ジョセフが世界的有名な小説家に成り上がったのか。回想シーンを差し込んで、彼らの関係が描かれます。
1960年代アメリカ東部の小さな州コネチカット州で生まれた若き2人の恋には裏があったのです。
なぜ長年にも渡り妻であるジョーンが夫ジョセフの小説を書くことになったのか。
本作は長年連れ添った夫婦の人生が描かれるだけでなく、女性というだけで表舞台に立ちたくても立てない社会的な圧力が間接的に描かれます。
圧倒的な男性社会の中でどれだけ女性が差別を受け、社会進出を妨げられていたのかが非常によくわかる映画になっていたのです。
家庭で男性を待つのが女性、家庭でのサポートをするのが女性という古い慣習がどれほど彼女らを苦しめていたのかを痛恨に風刺し、現代社会へ問題提起しているように見えます。
#Metoo運動なハリウッドを中心に広がり、女性が社会の中で活躍できるような雰囲気を作れるようにやっと変わってきましたが、そんな運動に追い打ちをかけるようにこれまで全女性が感じていた社会の不条理を痛烈に批判します。
そんな運動が認められてきたいまだか、こそ描ける作品であり、主演のジョーンを演じたグレン・クローズは力強い女性を演じたということで世界各国から高い評価を得ました。
社会的立場の低い女性が男性と平等に機会を与えられるような社会創りを鼓舞する映画であるとともに、
いち女性として長年連れ添ってきた最愛の夫を気遣う心優しい二面性を掛け持つジョーン・キャッスルマンは全世界の女性に共感されるでしょう。
びぇ!